「備えたいけれど、何から始めたらいいのだろう?」
「備えることがあり過ぎて、何を優先したらよいのだろう?」
これから備えを始めるという方なら誰でもが抱く悩みではないでしょうか?
この記事では、何を、なぜ、どのように備えればよいのか分かりやすくご紹介します。
1. 何に対して備えをする必要があるのかを知る。
危機管理では、最悪の状況を想定して、あらゆる面で備えることが大切です。
「何とかなる」、「そこまで大変な状況に備えるのは無理だ」、「できるだけやっていればいい」などといったあいまいな考えで取り組んでいるなら、実際に危機に直面したときに、大変なことになります。状況によっては、文字通り命取りになることさえあります。
食料や必需品の備えも、「何に対して備える」のか明確に想定することはとても大切です。それが明確になって初めて、「何を備える」のか、具体的にイメージできるからです。
何に対して備えるべきなのか?
では、何に対して備えたらよいのでしょうか?
「備え」と聞けば、地震などの災害に備える「防災」を連想する人が多いようです。しかし、今は、一刻も早く、さらに深刻な現実に備えなければ命取りになるときです。
残念ながら、世界の動きの真相は、マスメディアや行政を通して一般に伝えられることはありません。マスメディアを通して、世界で起きていることや今後の流れを理解することは困難です。
残念なことに、世界には国家や世界そのものを操る大きな勢力が存在します。その勢力は災害や疫病、戦争、経済危機、食糧難など、さまざまな危機を引き起こし、その「解決方法」と称して、世界の秩序そのものを覆し、人の自由を奪い、健康や生命、宗教、家族、富、国家さえも破壊しようとしています。このようなことは、世界で良識のある人々が警告していますが、彼らの声は検閲され、一般大衆には届きにくくなっているという陰鬱な状況があります。
今、世界中では、エネルギー危機、食糧危機、インフレ、戦争、疫病など、さまざまな分野で同時に危機が起きていますが、由々しいことに、これらの多くは人為的に進められています。歴史は繰り返されるもので、人類は過去に何度も同じような状況を経験してきました。しかし、人口も多く、軍事技術が発達している現代では、かつてないほど大規模な破壊行為が繰り広げられることが懸念されています。
私たち誰もが今すぐに備えなければならないのは、文明そのものが崩壊するときに、家族や隣人とともに助け合い、共に生き延びて、平和な社会を築き上げていくための備えです。
あらゆる食物、種子、衣類、生活用品、燃料、道具など、自給自足の生活を支え、社会を築き上げるために必要なさまざまな必需品を備える必要があります。また、家庭菜園や日曜大工、物の修理など、生きていくために必要な、さまざまな技術や知識も身につけておく必要があります。
しかし、人の力だけでは、そのような危機を乗り越えることはできません。過去の文明が崩壊したときに社会を再び築き上げていった人々は、希望を失わずに、神への信仰を持ち、家族や隣人に惜しみなく助けの手を差し伸べ合いました。人格的、霊的に堅固な土台を築いていなければ、人の限界を超えるような苦難を乗り越えることはできませんでした。それは、現代におけるわたしたちにとっても同じと言えます。
近年解明された聖書のイザヤ書という預言書には、私たちが生きる今の時代に、軍国主義国家連合が台頭し、物質主義と悪に陥る世界中の国々に破壊をもたらすことや、そのときに飢饉や荒廃が全地に及ぶ様子などが明確に描かれています。そのときに生き残る人々は、物質主義を離れ、改心して万物の創造主であられる神に立ち返る人たちであると、預言者イザヤは教えています。また、彼らは食料など必需品を備蓄していることも明らかにされています。神にそのような明日の現実に備えるには、まじめに食料備蓄を実践し、良心のささやきに従って善良な生活をするように努めることが極めて大切であると感じています。
私たちの目の前には、メディアが報道しているかどうかにかかわらず、食糧危機や経済危機、政治的不和、軍事主義国の勢力拡大、自由社会の衰退が日に日に深刻化しているという現実が存在します。現実を受け止めることで、何に備えたらよいのか現実的に考えることができるようになります。そうすれば、現実的に希望を抱くこともできるのです。
2.何を備えたらよいのかを知る
すべての備えを一度にするのは、ほとんどの人にとっては大変なことです。今回のシリーズではお勧めする優先順位に添って備えるべきものをご紹介します。ご自分の状況に当てはめて役立ててください。
- 絶対に誰もが必要な備え
- 是非とも準備しておきたい備え
- あると助かる備え
絶対に誰もが必要な備え
食料
まず、生き延びていくために最低限の食料が必要です。最低でも1年分の食料を備蓄するようにお勧めします。1年分の食料貯蔵となると気が遠くなるかもしれませんが、実は最低限の食料を知っておくと、難しいものではないことが分かります。
- 穀物。主食となる米、小麦粉、パスタ、乾燥小麦、大麦、燕麦など。穀物のすべてを白米やパスタのような加工品として備蓄するのではなく、少なくとも一部を玄米や籾、麦のように種として備蓄しておく必要があります。長期的なサバイバルにおいて、植え付けて収穫を得るためです。食べる量に寄りますが、一人当たり、1か月分で9キロから13.5キロは貯蔵しておいた方がよいです。
[カロリー量]100グラム当たり(1日3食分、300グラム当り)
・小麦 368kcal(1,104)
・米 356kcal(1,068)
・パスタ373kcal(1,119)
[カロリー量]150グラム当たり(1日3食分、450グラム当り)
・小麦 552kcal(1,656)
・米 534kcal(1,602)
・パスタ560kcal(1,679) - 乾燥豆、その他のたんぱく源。たんぱく源として肉や魚を貯蔵するのもよいですが、乾燥豆の方が圧倒的に経済的です。また、豆は繊維質やミネラルも豊富に含んでいます。また、発芽させることで野菜として食することもできます。また、種として植え付けることで、豆を収穫できます。豆は肥料がなくても、自分で肥料分を作り出すことができるので、育てやすい野菜です。
※乾燥豆を貯蔵する魅力についてはこちらの記事をどうぞ。 - 塩やそれに準じる調味料(味噌、醤油など)。身体が機能するには、塩分も必要です。塩には賞味期限がないので、たくさん貯蔵しておくことをお勧めします。いざというときに、周りの人に分けてあげたり、物々交換する際に役立ちます。味噌や醤油など、食べ慣れた調味料を備えておくのも大切です。
- 砂糖、その他の糖分(はちみつなど)。砂糖やはちみつは長期保存に向いています。料理に幅が出るだけでなく、甘いものはすぐにエネルギーになり、疲労時に役立ちます。また、緊張を和らげたり、精神的な面でも役立ちます。
- 食用油。油はカロリーが高いので、必要カロリーを摂取する助けとなります。また、人間の身体では作ることのできない必須脂肪酸を取り入れることができます。ただし、液体の食用油は賞味期限が1~2年ほどなので、回転して貯蔵する必要があります。ココナッツオイルなど、安定した油は長期の保存が可能です。
- 乾燥野菜類。栄養のバランスや、食事の味付けやバリエーションのために、乾燥野菜があると、非常に便利です。特に、乾燥タマネギ(こちらなど)、乾燥ニンニク(ガーリックフレーク、ガーリックグラニュールなども便利)、乾燥生姜(スライス、パウダー)、乾燥昆布などは、免疫増強や病気の予防にも有益なのでおすすめです。乾燥タマネギ、ニンニク、生姜は手作りするより、まとめ買いすると断然お得です。
その他にも、乾燥ニンジン、乾燥ほうれん草、乾燥キャベツ、乾燥小松菜などの乾燥野菜もあるととても便利です。乾燥野菜や乾燥果物は買うと高いですが、見切り品や家庭菜園でとれたものなどで手作りすれば、格安です。食品乾燥機(フードドライヤー)を使うことで、簡単に作ることができます。よく乾燥して、脱酸素剤と乾燥剤を入れてアルミパウチで保存すれば、何年でも保存することができ、いつでも使えるのでとても便利です。天日干しの場合は、長期保存するのであれば、しっかりと乾燥させたうえで、最後にはオーブンや食品乾燥機で水分をしっかりと飛ばすことが大切です。 - 基本的な調理器具。食料を備蓄しておいても、調理する手段がなければ使うことができません。カセットコンロやロケットストーブ、七輪など、複数の調理手段を備えておくこともお忘れなく。圧力鍋や保温調理器があると、燃料の節約になるのでおすすめです。フッ素樹脂がコーティングされたフライパンは、炭や薪などの燃料で調理する際に、火力の調整が難しく樹脂を早く傷めてしまうことがあります。鉄なべや鉄のフライパンなど、コーティングなしのものを備えておくと、長年使うことができます。たとえ焦げついても、焦げを削り取ることができます。
これら最低限の食料を少なくとも1年分は備蓄しておくことを強くお勧めします。最初は1か月分、3か月分と増やし、1年分まで達成することができます。しかし、計画的に取り組まなければ、達成できません。明確な達成時期を決めて、目標を達成できるように最善を尽くす必要があります。
おすすめポイント1。お米や豆類などは、スーパーで購入するよりも、インターネットや地元のお米屋さんや農家さんからまとめ買いすると断然お得です。まとめ買いでお買得な食品や調理器具などの一覧はこちらを参考にどうぞ(当サイトが運営している楽天ROOMのページに飛びます)
おすすめポイント2。必要な食品の量を、計算して取り組みましょう。1年分の食料貯蔵の量は、1日に食べる量×365日分、もしくは1週間で食べる量×52週分で計算することができます。必要な貯蔵量を簡単に計算し、管理できる便利なエクセルベースの貯蔵管理ツール『マイ貯蔵プランナー』は、こちらからダウンロードできます。
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水
生命維持に水は欠かせません。食事や飲み水から、最低1人当たり、1日3リットル必要と言われています。1年分となると、約1.1トンです。ドラム缶約5本分になります。しかもこれは、体や食器を洗ったりするなどの生活用水は含まれません。日本の家庭で大量の水を貯蔵するには無理があるため、井戸を掘ったり、雨水やさまざまな水源の水を飲み水にできる浄水器を準備しておくことを強くお勧めします。特に、移動時にも水が確保できるように携帯用浄水器を準備しておくと安心です。
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燃料
日本はエネルギー源を輸入に依存しているため、有事に流通が崩壊したり、大災害でインフラが故障すると、当然のことながら電気やガスの供給がストップします。そのため、最低でも調理用の燃料を確保する方法を準備しておく必要があります。以下は手軽な燃料の例です。
- カセットボンベ。カセットコンロは最も手軽な燃料ですが、燃焼時間は強火で約1時間ほどになります。そのため、長期の備蓄には数量の確保が必要です。間の中身のガスには使用期限はありませんが、メーカーは約7年を使用期限としています。缶に使われているゴムのパッキンの劣化や、缶が錆びると安全性に問題が出る可能性があるためです。保存期間は保存状況により変わります。また、カセットボンベは、バーナーやトーチとして使用することで、木の枝や薪、炭などの着火にも用いることができます。
- 炭。炭は使用期限がないため、長期間保存することができます。水にぬれても乾かせば使うことができます。着火には着火剤もしくは新聞紙などの火種が必要です。
- 豆炭。一定した温度を持続でき、燃焼器具の空気量を調整すれば7~24時間継続して使用できるので、調理用燃料だけでなく、豆炭あんかや豆炭こたつなど、暖房用燃料としても適しています。
- プロパンガス。プロパンガスには使用期限はありませんが、ガスボンベにいつまでガスを充填してもよいのかを示すガスの「充填期限」というものがあります。10㎏以下のガスボンベは6年に一度、20㎏、50㎏など大型のガスボンベは6年に一度再検査を受ける必要があります。
- 薪。生木は乾燥させる必要があります。薪は大きさによって乾燥に要する時間が変わり、細いほど早く乾燥します。
- 小枝や枯葉。よく乾燥した小枝は、着火用の燃料として用いることができるだけでなく、ロケットストーブなどの燃料として活用することもできます。
- 紙類。段ボール、牛乳パック、新聞紙など紙類は、薪や炭の着火剤として使用できるだけでなく、少しずつ火にくべることで、燃料としても使うことができます。
- ソーラークッカー。ソーラークッキングは太陽光を利用した調理方法です。火を使わないので、燃料ではありませんが、日光と簡単な準備さえあれば調理ができる方法です。
衣料
少なくとも1年分の衣料を準備しておきましょう。特に現在欧州がエネルギー危機に陥っているように、冬に暖を取るための燃料が手に入らないときは、温かい衣服が欠かせません。また、災害時や移動時にけがをしないよう、丈夫な靴や靴下などの消耗品も備えておいた方がよいでしょう。
まとめ:絶対に誰もが必要な備え
すべてのものを一度に準備することは難しいかもしれませんが、生きていくために必要な最低限の食料、水、燃料、衣料なら、多くの人が想像するほど難しくはないのではないでしょうか?
世界が日に日に不安定になっており、物価が上がり続けている今、これらは「今すぐに」備えるべきものです。いざという時が来たら、瞬時に物は店からなくなります。備えができるのは、物があるうちであることを肝に銘じましょう。
この記事の筆者の紹介
下川健一。滋賀県出身。米国ブリガム・ヤング大学卒(臨床心理学博士)。ノースウェスタン大学ファミリー・インスティテュート博士研究員、同大学心理学部大学院講師(カウンセリング心理学)を経て2012年に帰国。メンタルヘルス関連のコンサルテーションやカウンセリングを提供する組織の管理職を経て開業。また、世界情勢が急速に変わりゆく中、一人でも多くの人が今後の世界に備えられるようにできることはないか真剣に考えるようになり、書籍の翻訳・出版活動を通して物理的、精神的、霊的な観点から幅広く備えについての情報発信にも取り組むようになる。その一環として米国在住のメンタルヘルス・カウンセラーの友人が3度の臨死体験中に見た壮大な示現の記録『栄光の示現:一人の男性が見た末日に関する驚くべき示現』を翻訳し自費出版する。また、聖書の終末予言を理解する鍵と言われる旧約聖書のイザヤ書の解読に極めて重要な古代の文学手法を発見したアブラハム・ギレアディ博士によるイザヤ書の解説書を翻訳、出版、普及する活動に取り組んでいる。また、一家一年分の食料貯蔵と家庭菜園を実践し、家庭でできる食料の保存法について情報発信に取り組んでいるため、備えについての相談を受けることが多い。自給自足を視野に入れた長期の備えの大切さをベースに食料貯蔵と家庭菜園をベースにしたライフスタイルの魅力と重要性を発信していこうと、有志と一緒にSONAEを立ち上げることに。現在下川心理臨床カウンセリングオフィス代表、オリーブ出版代表、一般社団法人イザヤ研究所インターナショナル代表理事。長野県在住。
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